心臓病の精査を行い心臓病を否定された患者でも、心臓病が隠れている場合があります。
適切な処方の変更により、心電図のと、自覚症状の劇的改善が得られた、心臓の筋肉の炎症後の後遺症を抱えた患者の一例。
□58歳 女性
自覚症状:顔面の紅潮、めまい、発汗、動悸、胸痛
□既往歴
17歳時より胸痛の自覚有り、
57歳時より、TIAを認めた
甲状腺癌、左内頚動脈閉塞症、左前大脳動脈閉塞症にて手術
tobacco:31歳〜/20本/日
□経 過
ある病院にて心電図異常を指摘され、専門病院を紹介され、心カテ、冠動脈造影の結果、冠動脈の狭窄を認めない事より、「心疾患なしの診断」となる。
その後も、自覚症状の持続に対し、心療内科をすすめられる。
□現 症
顔面の紅潮、発汗を認める
血圧:165/84 P:129
心電図: 脈拍は117回/分と速く、虚血性変化を認めた。
心エコー:大動脈弁にフラッタリングを認める。
□以上の経過、検査結果より、心電図の変化は、微少循環不全と判断し、高血圧の薬を変更した結果、T波の逆転は著しく改善し、正常化し、脈拍も正常化した。顔面の紅潮、めまい、発汗、動悸、胸痛の自覚症状も同様に著明に改善した。
初診時心電図/2005年3月28日
頻拍と虚血が認められ、心筋の苦しさが想像される。
薬を変更の後の心電図
処方の変更により、脈拍数の改善と、ST・T波の虚血変化所見の著名な改善が認められ、心筋の嬉しさが判る。
10月後の心電図
心電図の改善と自覚症状の改善が得られ、安心した心筋が想像される。
4年9月後の心電図
治療、約4年後の心電図でも、自覚症状でも正常化が持続している。
服薬を中断することで、心電図の虚血変化が、再現された。
再度
服薬の再開により、心電図の虚血の改善が得られ、長期の薬物の効果の有効性と持続が確認された。